2026.02.13 掲載企業向け 建設業の給与相場は今後どう動く?

建設業の給与相場は今後どう動く?

 

 

──「人材不足の加速」と「需要の高止まり」が生む“構造的な上昇トレンド”──

 

建設業界では今、
「給与が上がり続けている」という声と、
「これ以上上げられない」という悲鳴が同時に聞こえます。

 

実際に何が起きているのか?
給与相場はこの先どう動くのか?

 

結論から言うと、

 

建設業の給与相場は、今後“確実に上昇傾向”が続きます。

 

理由は単なる人手不足ではなく、
“構造的に給与が上がらざるを得ない仕組み” が生まれているからです。

 

本コラムでは、
建設業の給与相場の現状と、今後10年の未来を予測します。

 


 

1. 給与上昇の根本要因は「労働人口の急減」

 

まず最も大きな要因は、
若年層の人口減少です。

 

20〜34歳の人口は
今後10年でさらに大幅に減少します。

 

若者が減る=未経験者の母数も減るため、
会社同士で“奪い合い”が加速します。

 

さらに…

 

●他業界(物流・製造・IT)も同じく若手不足

 

→ 給与アップで若手を取りに来る
→ 建設業はさらに給与を上げざるを得ない

 

つまり、
建設業の給与は 競争によって引き上げられていく という構造です。

 


 

2. “建設需要は高止まり”で、給与が下がる要素がない

 

給与が上がる最大の条件は
「需要が減らないこと」。

 

建設業はこの10年、以下の需要で下支えされています。

 

・再開発ラッシュ

・インフラの老朽化

・大規模改修の増加

・公共工事の安定

・省エネ化・断熱化需要

・大阪・名古屋・福岡の都市集中

 

そしてこれらは
今後20年続く長期トレンド です。

 

需要が落ちない以上、
給与相場が下がる理由がありません。

 

むしろ、

 

●職人不足

●需要は安定

 

→ 給与が上がりやすい市場が続く

 

という構造です。

 


 

3. 2025年問題は給与上昇圧力をさらに強める

 

2025年問題とは、
団塊世代の大量離職による“熟練者の急減”。

 

ベテランの引退で何が起きるかというと…

 

●経験者の価値が跳ね上がる

●若手の教育コストが増える

●人手の確保が難しくなる

 

つまり、
経験者の給与が市場全体で上がる ということ。

 

今後の市場は、

 

✔ 技術者の取り合い
✔ 若手の取り合い
✔ 経験者の奪い合い

 

が同時に発生します。

 

これにより給与相場は
間違いなく上昇を続けます。

 


 

4. DX・ICT導入で“給与が下がる”のではなく“仕事の価値が上がる”

 

一部では「AIやロボットで給与は下がる」という意見があります。

 

しかし、建設業は真逆。

 

●ロボット → 危険作業が減る

●ICT → 作業効率が上がる

●AI → 段取りが明確になる

 

こうなると、
技術者が“より価値の高い仕事に集中できる”ようになる。

 

結果として、

 

・現場監督

・多能工

・専門技術者

・施工管理経験者

 

などはさらに高収入化します。

 

DXは給与を下げるのではなく
技術者の市場価値を押し上げる のです。

 


 

5. 外国人労働力に頼っても、給与は下がらない

 

「外国人が増えると給与が下がるのでは?」
という懸念もあります。

 

しかし現実は逆。

 

・外国人材の受け入れ枠は厳格

・職種ごとに制限がある

・建設分野は人気が低い

・そもそも数が足りない

 

つまり、外国人の増加で
給与相場が下がることはありません。

 

むしろ…

 

✔ 教育コストが増える
✔ 管理体制が必要
✔ 技能実習から特定技能へのシフト

 

これらにより、
労務費はむしろ上がっていく傾向です。

 


 

6. 今後10年の建設業の給与相場はこうなる(予測)

 

ここまでの要素を踏まえると
今後の給与相場は以下のように動きます。

 

未経験者:上昇幅は比較的緩やか(+1〜2万円/月)

 

理由:
未経験者は教育コストを要するため、無制限に上げられない。

 

ただし競争が激しいため上昇は続く。

 

若手経験者:最も上昇幅が大きい(+3〜6万円/月)

 

即戦力化が早く、
定着すれば長く働くため価値が最も高い層になる。

 

ベテラン技術者:引退リスクにより価値が急上昇(+3〜8万円/月)

 

2025年問題の中心。

 

会社はベテランの流出を避けるため
待遇を上げざるを得ない。

 

多能工:市場価値が急騰(+5〜10万円/月)

 

DX・生産性向上の流れで
多能工の価値は最も高くなる。

 

施工管理:全国的に給与が上昇(+3〜7万円/月)

 

施工管理は
人不足 × 需要増 × 若手の敬遠
の“3重苦”。

 

給与が上がらない理由がない。

 


 

結論:建設業の給与相場は“長期的な右肩上がり”が続く

 

建設業の給与は
景気に左右される時代から、
構造的に上がる時代に変わりつつあります。

 

理由をまとめると…

 

【給与が上がる5つの構造】

 

若手人口の急減

経験者の大量引退

需要の高止まり

✔ DXで技術者の価値が上がる

企業間競争が激化

 

つまり、建設業の給与は
「多少は下がることがあっても、
長期的に見れば必ず上昇していく
という流れが続きます。

 

採用でも定着でも、
この“相場の変化”を理解した会社だけが
今後の戦いに勝てるのです。